プリペイドSIMカード会社比較論
はじめにココを理解してください。マレーシアの国策企業テレコムマレーシア(日本で言うとNTT)が、子会社として立ち上げたセルコム・マレーシア。急成長を続けてきた洗練された企業ブランドを持つマキシス。後発ながら、マレーシア人のハートをしっかりつかんだデジ。
以上3社が、しのぎを削って回線利用者の獲得合戦を繰り広げています。おかげさまで利用者にとっては「プロモーション価格」や相次ぐ値下げ、サービス向上などなどうれしいニュースばかり飛び込んできます。
各社それぞれに利点と欠点を持っていますので、海外ケータイ生活をスタートさせるのに先立ち、最新ニュースを仕入れて「アナタにとって最良のSIMカード」を選んでくださいね。
GSMケータイは世界を結んでいる事実
私が、1998年にマレーシアで最初に手にしたケータイ電話回線は「セルコム」さんの019から始まる電話番号でした。当時は価格も安くなく、モノクロ画面のありきたりのケータイ電話が一台1000リンギット(3万5000円)以上していました。
ただし、頑丈で長持ちするヘビーなデザインで4年間使えました。当時、私は放浪生活を始めたばかりで、マレー半島をグルグル廻ったりオーストラリア大陸でスコップ片手に農園の草刈りをしたりしていました。SIMカードを差し替えるだけでGSMケータイの電話番号が変わることも自分で使ってみて初めて理解できました。
オーストラリアでも、シンガポールでも、タイでも、インドネシアでも滞在国に入国したらケータイ電話屋さんに行ってどこの会社が良いか(どの国でも2~3社の競合がある)まず聞いてからSIMカード購入し、チップを差し込むのが習慣のようになっていました。GSMケータイはまさに世界を結んでいるんだなと実感したのもこの頃です。
マレーシア国土をくまなくカバーするセルコム
マレーシアのケータイ生活でセルコムを選んだのには当時の回線事情が大きな選定理由になりました。マラッカに定住の地を定めていなかった私は、通話可能エリアの地図を見比べ、都市部に限らず農村地帯や山岳エリアをカバーしていたのがセルコムさんだけだったのです。
今でも、この通話可能エリアの領域はセルコムさんがずば抜けて強いです。さすが国策会社の経営だとうなずけるパワーを発揮しています。ちょっと前まで、割高感がする料金体系のおかげで都市部の利用者が少ない回線会社ですが、マレーシアの農村部や山岳地帯、国内をグルグル移動をするケータイ生活を始めるならセルコムさんがオススメです。
洗練された企業ブランドがステキなマキシス
会社ロゴのデザインや企業広報のCI(コーポレートアイデンティティー)が洗練されているのがマキシス。その企業ブランドにあやかれば自分もオシャレでステキになれるという「できるビジネスマン」や「売れるセールスマン」そして、「きれいなお姉さま系OL」たちに支持され急激にシェアを伸ばした会社です。実際、つい2年ほど前までマキシスは最強のケータイ回線会社でした。
私も、マラッカでマキシス・パワーの凄さに気付き西暦2000年、ミレニアムの年に012から始まるマキシス回線に乗り換えました。しばらくの間、自分の昔使っていた「セルコム」と「マキシス」の2回線を併用し2台のケータイを持っていた時期もあります。
マラッカの街を離れ、山間部に入るとマキシスのラインは電波の状態が悪くなりやがて不通になっても、セルコムのラインはつながっていたこともありますが、ちょうどこの頃マレーシアのケータイブームに火がつき始め都市部では回線過剰(アンテナ不足)に陥り、セルコムさんや後述のデジさんの回線は毎日午後8時から深夜1時までつながらないモンダイがおこっていました。
マキシスさんは、この点で両社をリードし都市部で幅の広い回線確保で優位に立ち、新規回線大量販売に成功し大きくシェアを伸ばしました。今でも、洗練された企業イメージは不動のモノです。カッコよく見られたいミーハーな方には是非オススメしたい回線です。
価格破壊を連れてやってきた大衆に支持されるDIGI(デジ)
いま主流のケータイ電話回線会社はデジを含め3社あります。このなかで一番ドロ臭いイメージ、値段を下げることしか頭の回らないやぼったい会社は何を隠そうこのDIGIさんです。
とんでもない過去を持つこの会社が、西暦2000年後半、勢力を伸ばし始め一時期「こりゃスゴイ!」と思ったのもつかの間、西暦2001年春から秋にかけてこの会社の回線は毎日午後6時から翌午前2時までは発信はもちろん受信も6回に1回程度しかつながらない回線パンク状態が毎日続きました。
おい!いったいどうなっているんだ「責任者出てこい」と日本なら確実に経営者がつるし上げを喰らっていただろう状況でしたが、お行儀の良いマレーシア国民は黙ってつながる時間になるのを待っていました。
016から始まるこの回線を持つケータイ電話の所持者がスマートで、仕事のできる人であったとしても名刺に刷り込まれた携帯番号が016で始まっていたら、せっかくの信用も総崩れしていました。実際にあった話です。ところが、2004年7月。現在新規加入者の50%以上はDIGIさんが獲得しています。なぜか?その理由は3つ考えられます。
- 回線を保守するアンテナの確保が徹底され、回線パンクがほとんどなくなった
- 徹底した価格破壊戦略で「安価」を提供している
- マレーシア人のハートをつかまえる広報・PR戦術が大成功をおさめた
筆者も利用しているイチオシのケータイ回線
特に、IDD(国際通話カード)とケータイ回線のドッキングによる裏技を利用すると日本まで1分14円を実現させた、その価格破壊根性は特筆モノです。素晴らしい!利用者の立場に立ったその戦術は高く評価しています。実は、不肖筆者であるTonyは現在016から始まるDIGIの愛好家なのです。
KL、マラッカ、JB、ペナンなどのマレーシアの大都市部において強力な電波ネットワークを築いており一番つながりやすいのがこのDIGIさんなのです。ダサさの代名詞と言われた昔とは大違いの躍進をとげたDIGIのユーザーに乗り替えたのは西暦2002年後半です。IDDカードとの連携を知り国際通話にもっとも強いケータイであることを知り喜んだのはつい最近のことです。
DIGIはマレーシアの都市部に滞在し、なおかつ国際電話をかける機会の多い人にはイチオシのケータイ回線です。筆者も使っています。
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