マレー語とインドネシア語は兄弟言語
マレー語はマレーシア国、シンガポール国、ブルネイ王国で国語として採択されています。歴史的背景から考察すると、マレーシアの起源とされるマラッカ王朝で使われていた言語はインドネシアのスマトラ島から持ち込まれたものですから、スマトラ島(現在のインドネシア)がマレー語の生誕の地かもしれません。
発生時期とされる13世紀後半、マレー語は文字を持たない言語でした。しかしマラッカ王朝は、1414年にイスラム教を国境と定めアラブのアラビア文字を取り入れ、以降文字による歴史が記録されるようになりジャウイ文字へ発展させ言語や文法が発展したと筆者は推察しています。
マレー語は、イギリス植民地時代に現在のアルファベットに置き換えられ、マレーシア独立の際にアルファベットが採択されたので、我々日本人にとって読みやすい言語になっています。もしも、ジャウイ文字による綴りが採択されていたら簡単に読めないマレー語になっていたかもしれません。
マレー語、インドネシア語ともに方言は存在しますが、差は大きくありません。マレーシア人がマレー語で、インドネシア人がインドネシア語で会話したとしても、お互いの言いまわしや方言を理解しているため意味は通じます。大阪弁と博多弁を使う日本人どうしで会話が成立するのと同じだと思います。
観光客や長期滞在希望する日本人なら英語でも問題ない
マレーシアでは、BM(Bahasa Malaysia :バハサマレーシア)を国語としていますが、公用語ではマレー語、英語、中国語、タミール語が採択されています。多民族国家であるため、それぞれの民族言語を親や小中学校で習い、国語としてマレー語を習い、共通語として英語を勉強する国民が多い国です。
一流ホテルや、高級レストランで働くマレーシア人は最低でもマレー語と英語のバイリンガル・スタッフを採用するケースが多いため、観光客やロングステイを楽しむには英語が充分通用します。4~5言語を自由に操るマルチバイリンガルなマレーシア人も少なくありません。
蛇足ですが、過去20世紀には欧州との取引のため「英語」を教育が必須だった華僑たち。筆者の知人も英語で教育受け、中国語の読み書きができない華人が少なくありません。しかし21世紀である現在、中国本土との取引を意識して中華語(マンダリン)を子供たちに学ばせる親が多くなっています。
昔は英語ができたら就職に有利だった時代もありましたが、これからは中華語を身につけた方の方が重宝される時代がすぐそこに来ているのかもしれません。
2016年夏追記:円安が進んだ日本に押し寄せる中国人富裕層。旅行客が爆買いという新単語を産みだしています。売り場でも英語の話せる店員さんよりも中国語が使える店員さんの方が重宝されているようですね。
マレーシアガイド管理人メールアドレス tonyjsp@gmail.com