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ラマダン(Ramadan)とは

ラマダン(Ramadan)とは

「ラマダン」とは、イスラム教徒が断食をする期間のことです。イスラム教・ヒジュラ暦の第9月(西暦2021年は4月14日~5月13日)が「ラマダン」と呼ばれる断食の期間です。

ヒジュラ暦(イスラム暦)は、閏月を設ける太陰太陽暦とは異なり、季節のずれを調整しない純粋太陰暦(1年354日)であるためラマダンの時期は毎年同じではなく、西暦に比較し11日ずつ早まっていきます。

イスラム教徒の戒律「六信五行」

イスラム教の聖典『コーラン』あるいはクルアーン(قرآن qur'ān)の中には、宗教的な教えから日々の服装や飲食など生活における掟から、商売上の契約、国家の政治・経済、法律、戦争処理の規則まで規定されています。

そしてこのコーランの中に「六信五行」という、イスラム教徒の戒律が記されています。イスラム教の五行とは、「信仰告白(シャハーダ)」「礼拝(サラー)」「喜捨(ザカート)」「断食(サウム)」「巡礼(ハッジ)」。

そのひとつが「ラマダン」Ramadanと呼ばれる断食月なのです。断食をすることで 飢えの体験を通して食べ物や飲み物の大切さを知り、それを与えてくれたアッラー(神)に感謝をします。

唾液も飲み込まないストイックな断食

ラマダン月には、日の出から日没まで断食を行います。水や食物だけではなく、唾液も飲まない、目薬も指さない、耳掃除をしない、たばこもダメ!という異教徒からは考えられないストイックな断食です。

日没の断食明け時間が近づくと、食卓に料理や飲み物をそろえ家族揃って、その時を待ちます。日没を知らせる「アザーン(Adzan)」と呼ばれるアラーの神への祈りが聞こえたら行儀良く食事が始まります。

大都会の渋滞も消える「ブカプアサ」

ラマダン期間中の日没後、断食明けの晩ご飯のタイミングを「ブカプアサ」( Buka Puasa 断食明けの意味)と呼んでいます。マレーシアにおけるイスラム教徒の人口比率は、ほぼ7割。7割の国民が揃っていただきます!と食事をしているのが想像できますか?

KL(クアラルンプール)やJB(ジョホールバル)などの大都会における夕方の通勤ラッシュ、交通渋滞はゼロになります。街から7割の車が消えることになりますので交通の流れはとてもスムーズなのです。

警察官の多くはイスラム教徒であるため、ブカプアサの時間帯は交通の取り締まりも激減します。空港の荷物を仕分ける係の人も急に減ってしまうのでターンテーブルから荷物が出てこないとか、イミグレーションの係官も食事をするためイミグレが大行列になっていまうのです。

スーパーマーケットのレジ係も食事中なので、お客さんは待つしかありません。完全に業務がストップするわけではなく、中華系・インド系民族スタッフが在籍しているので、何台かのレジは稼働しているんですが、レジ待ちの行列は長めです。

帰省は「バレ・カンポン」Balik Kampung

ラマダンの終盤になると、ハリラヤプアサに備えて帰省「バレ・カンポン」Balik Kampung (English: "return to village") する人が増えます。大都会から田舎に向かう高速道路は大渋滞。長距離バスのチケットは早くから売り切れてしまいます。

住宅地にはラマダンバザールが立ちならび。ハリラヤのためのごちそう食材やお菓子を準備したり、衣服を新調したりと経済活動が活発(日本の年末商戦とほぼ同じ)になります。

そして 断食明けを祝うのが イスラム教徒最大のお祭り「ハリラヤ・プアサ(Hari Raya Puasa)」なのです。


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