ワタリガニも毛ガニも越前ガニもケタム?
- 蟹(カニ)をマレー語で Ketam (ケタム)と表現します。マレーシア近海で漁獲されるカニは、日本でいうワタリガニが多く比較的安価に流通しています。ワタリガニだけじゃなくいろんな蟹を見かけますが、ケタムは蟹の総称として使われています。
- マレーシアだけじゃなく、お隣のシンガポールでも人気が定着している「チリクラブ」に使われている、ハサミの大きな蟹もマレー語で Ketam (ケタム)と表現できますが、マレー英語では Sri Lanka Mud Crab (スリランカ マッド クラブ)と区別して呼んでいます。
- イスラム教徒(ムスリム)の食の掟 ハラール(حلال Halāl:ハラル)の取り決めで、一生を海で暮らすワタリガニ類は食べても良いけど、海や陸地の両方で生活するスリランカマッドクラブはノンハラールなので食べてはいけない食品とされています。
- ですからマレー系マレーシア人(ムスリム)が経営している海辺のイカンバカール(海鮮食堂)ではワタリガニしか置いていないのです。
- 「チリクラブ」でお馴染みの爪の大きなスリランカ泥蟹は、中華系マレーシア人の経営する店かユーラシアンと呼ばれるポルトガル人の子孫が経営しているシーフードレストランでしか見かけないのはハラールがその理由なんです。
- 毛ガニやタラバガニ、ズワイガニなど日本近海で獲れる蟹も、マレーシアの近海で獲れるワタリガニも「カニ」の仲間は総称として Ketam (ケタム)と表現することが可能です。
(写真上)ウンバイにあるイカンバカール店にて
(写真下)ポルトガル村のシーフードレストランにて